- 梅は寒苦を経て清香を発す
- 徳川家康 峠越え
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2014.02.15 Saturday
織田信長が本能寺の変で明智光秀に殺されたことは通説になっています。
ところが伊東潤著のこの本では、徳川家康を亡き者にするため織田信長と明智光秀が語らい計略を立てたものを事前に家康の知るところとなって家康は回避して助かり、誤って光秀は主君信長を殺める結果になったと描いています。
この原因は信長の他人はおろか側近さえも信用しない独り善がりな性格が招いたミスであり、反面家康の用意周到で我慢強い性格が良い結果を招いたと言う説です。
本能寺の変を確認し家康が奈良から伊賀越えして伊勢に逃れる道中の苦難は読んでいて手に汗を握る想いでした。
徳川家康は「人生は重き荷物を背負い急な坂道を登るがごとし」と言われています、この本を読んでよく理解いたしました。
なお日経夕刊で「天下家康伝」を連載しています、これも楽しく読んでいます二つの小説を併読すればもっと家康に興味がわくでしょう。
- 桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿
- 早春の大阪城
- 無双の花
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2014.02.03 Monday
葉室麟著 無双の花を読みました。
戦国平定後、秀吉に可愛がられて出世し九州柳川城主であった立花宗茂は秀吉の没後、関ヶ原の合戦で西軍に加わり敗戦後領地は没収され浪人となり十数年に及ぶも遂に旧領に復帰した生涯を描いた歴史時代小説です。
勇敢なるも正義を貫き裏腹ない人間性と人を愛する武士道に共感しました。
著者は九州出身の人で地方の歴史時代小説を書いていますが誠にすがすがしい人柄を描いています。
同じ著者で以前に読んだ 蜩の記(ひぐらしのき)も豊後羽根藩の重役の顛末記でしたが同じく自己を貫いた清廉な武士の物語でした。
時代小説は大好きで常に枕元には新刊書を買い求めて読みふけっています。